16話 DOKIDOKIDOKI
なおのおじいちゃんから話を聞いた夜
不思議な夢を見た
海を見てる
ただずっと
そしてすごく
哀しい気分で胸がいたくなった・・
ただそれだけの夢
朝
学校に行く途中
けんじがいた
「 よぉ~。 」
手をポケットに入れたままで
こっちを見ていた
「 はよ・・」
とりあえずあたしも挨拶してみた
近くまでくると
いつものからかったような顔でなく
真剣な顔で話してきた
「 なんか 夢みた? 」
「 ・・・うん・・」
けんじに不思議な夢の事を言った
「 未来の夢じゃないみたいだな。」
「だね。」
そんな会話をしていたら
「 熱いねぇ!!
付き合ってんの??」
後ろからけんじに覆いかぶさりながら
荒木先輩がにやにやして言ってきた。
「ばっっっっ!!
ちがうぅ!!!」
けんじと二人で叫んでしまった@@
くくくっと笑いながら
「お前ら言うタイミングも一緒だな(笑)」
荒木先輩はニヤニヤ笑っていた
「違います!!私たちそんなんじゃないです!」
うんうんとけんじがうなずく
「 ならゆいちゃんはフリー?」
へっ?
「なら俺にもチャンスあるわけだ★」
じゃぁ~なぁ~~
と手をひらひらさせながら荒木先輩は
先に行った。
ぇえ”~~~~~なにそれぇ!!
あたしの顔すごく熱い!
「お前・・ 顔すごい真っ赤だぞ。
なぁ~・・ゆい。
俺言っただろ?荒木先輩女ったらしだって@」
確かにそうかも@@
いきなり言われてホントびっくりした・・
教室に着くと
なおが駆け寄ってきた。
「 ねぇ~ なんか夢見た?」
私とけんじは顔を見合わせて
ぷっと吹き出して笑った
「なによぉ~二人で!!」
「ごめんごめん!けんじと同じこと聞くから」
言ってる横で
ゲラゲラ笑いながら
「 やっぱ気になるよなぁ~!
俺気になって 気になって
眠れないことはなかったけど
気になったから。」
「なんじゃそりゃ。」
「そういやさぁ!!!
ゆいさぁ~~ さっきあら・・・・」
「けんじぃ!!!!」
私は思いっきりけんじの足を踏みつけた
「いってぇ!!!!!」
そして思いっきり睨みつけた
「ナニナニ?? ゆいがどうしたの??」
「・・・。」
あたしはなんか恥ずかしくて下をむいてしまった
「 こいつ 荒木先輩に告られた」
「ぇえ””!!まじでぇ!!」
「ちがう!!!告られてない!」
もう一回けんじの足を踏みつけた
「だから痛って”!!」
どういうこと?となおが言うので
「先輩が・・俺にもチャンスあるなって言っただけ・・」
「それは告りでしょぉ~★」
だよなぁ~ と二人で顔を見合わせて
ニヤニヤしてる@@@
他人事だと思って@@
でも
そんなやりとりで
昨日からのよくわからない不安は
なくなっていた。
放課後
無理やり入らせられている
陸上の練習をしていたら
サッカーの練習をしていた荒木先輩が
私に気が付いて駆け寄ってきた。
「ゆいちゃん ちょっといい?」
あたしは体全体が心臓になったみたいに
ドキドキしてる
「な・・・ なんですか・・?」
「いうの忘れてた!
おやじが明日夜から打ち合わせするから
ゆいちゃんもこれたら来てほしいって。」
はっ?
ぁあ~~!!そっち?
ドキドキしたぁ!!!
「どうしたの?」
荒木先輩が私の顔を覗き込んだ
一気に顔が熱くなった
「先輩ぁ~い!
さぼってないで
練習しますよぉ!!」
荒木先輩の部活の後輩
が私たちを見つけて声をかけてきた
「そうそう~ けんじにも
言っといてなぁ~。」
じゃぁ~なぁ~
といって先輩は部活に戻っていった。
はぁ・・・
まだ顔が熱い@@
私はパタパタ手で顔を扇いだ
「ど~した?」
「うわぁ!!」
いきなり目の前にけんじが現れて
心臓が飛び出しそうにびっくりした
びっくりしすぎて
膝を抱えて座り込んでしまった
「えっ?なっ・・なに?気分悪いの?」
そうじゃない@@@
顔も赤いだろうし心臓バクバクだし
意味わかんない@@
「 腹こわしたか?」
このぉぉぉぉ!!乙女心がわからない
すっとこどっっこいがぁ!!
と思いながら
キッと
座りながら
上目づかいでけんじを睨んだ
「なっ!!なんなんだよぉ!
人が心配してるっていうのに!!」
心配してるぅ? (笑)
なんだかおかしくなって
顔を両手で押さえながら
くくくくっ笑ってしまった
「なっ” なんだよぉ~
次は笑いはじめてぇ@@」
「あっそういやさっき荒木先輩
一緒にいなかったか?」
またドキッとする発言をするなぁ・・
「 うん。 今度花火大会の集まりがあるから
来てほしいって言われた。
けんじも来てほしいって。」
「ぁあ~。 なんだそっちかぁ~」
「そっちかぁ~って なんなのよぉ@@」
「 告られたかと思った (笑)」
「 なっ!!そんなことないじゃん!!」
また顔赤くなってるぅ~~・・
顔を両手で押さえながら
はぁ~~とため息をついた。
「ゆいいくんだろ? なら俺もいくよ。」
よかった。けんじがいてくれたら
私もココロ強い★
「ありがとぉ。」
自然に笑顔になれた。