3話 あの日
どくどくどく・・・
まだ心臓が激しく動いてる・・・
どくどくどく・・・
手も震えてる・・
なんなんだ・・・
予知夢?
予知夢ってあんなにはっきりみるの?
何事もなかったかのように
授業をうけてるけど
先生の話なんて全然入ってこない
おい
おぉ~い
おいったら!!!
びっびっくりしたぁ!!!
目の前に 宮本がいた
「なぁ~ なぁ~
あの事故見たんだろう?すげぇ~よなぁ!
人が巻き込まれなくてよかったよなぁ~
大事件だよぉ~ あはははっ」
軽くいいやがって@@
あの惨劇が脳裏に蘇り血の気が一気に引いた
血だらけで横たわるあの子たち・・
よ・・・ よかった・・
「 何が?」
「・・・ 別に・・」
「そうそう! 放課後来いよな! いいな!
今日も来いよ!」
また・・強引だ@@
・・・ でも
この強引さ・・
なんか懐かしいな・・
昔 この町に夏休みに遊びに来た時
色の黒い男の子が私の手を引いて
強引に遊びに連れて行かれたっけ・・
私 外に行きたくなかったのに
なんか 強引に海に連れていかれた・・
誰だっけあの子?
・・・
放課後 やっぱりいってしまった@@
「 きたな 前田ゆい! ならストレッチしたらいくぞ! 」
はぁ??? 行くってまたあの10キロ???
今回は この前のメンバーと違い
1年下の 女の子と3人で走ることになった
・・・・
この前とよりハイペースなような@@@
っていうか・・
この坂道登ってくの!!??
私がだるい顔しながら走ってると・・
「 ねぇ~ ねぇ~ ゆいちゃんでしょ?
私 かのんだよ! 覚えてる? 」
走りながら 女の子が話しかけてきた
「 ・・・ かのん? 」
「 ぇえ~~ 覚えてないの? かなしぃ~かのん@@」
なんか しぐさがかわいい
「 昔 夏休みに帰ってきてた時に遊んでたのに!! 」
昔・・ たぶん 小学校1~2年のころ
よく この町に 家族で帰ってきてた
お父さんとお母さんと3人で・・
いつからか この町にはいかなくなってたっけ・・
・・・ 色の黒い男の子の後ろにいつもいた女の子・・
「思い出した?」
「・・ かのんちゃん?」
「 ついたぞぉ~~~!」
小高い山道を登った広場には・・
よかったぁ! まにあったぁ!」
海が引いた干潟に現れた美しい波模様
それを美しく照らしている夕日・・
「 ・・・きれい・・・」
「だろ?」
疲れが一気にふっとんだ・・
周りが黄金に輝いている・・
「 お兄ちゃん ゆいちゃんにいつか見せたいっていってたもんね!」
「ぉお”い! かのん!」
へへへへっ
と笑うかのんちゃんは なんかかわいい
「お兄ちゃん? 兄妹なの?」
「・・ったく お前 俺らの事全然覚えてないだろう?」
・・・・
「ぁあ”!!!!
あの色黒強引男!!」
「なんだよそのネーミング(笑)」
そうだ! あいつだ!
いつも夏休みに強引に連れていく色黒男!
「・・・けんじ?」
「 やっと思い出したか!」
にかっと笑った顔は
色黒の懐かしいあの少年の笑顔だった