Moist

網田という町の話を書いてみました。 すべてフィクションですが 場所はホントにあります。素敵な町です。

8話 荒木先輩

 

「まじで ありがとなぁ!」

 

体育大会も昼休みに入り

おばあちゃんが作ったお弁当を食べてたら

3年の 荒木先輩が やってきた。

 

 

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「 ホント あの場所にいなかったら

 弟どうなってたか・・・

ホントありがとなぁ!

 

 

 声がでかい@@@

 

 

「 先輩もういいですよ・・ たまたま

いただけだから」

 

 

「 ん? お前 洋介んとこの長男かぁ!!」

 

 

今回 父も昼から体育大会を見に来ていた。

 

 

「 おじさん おやじしってんの? 」

 

 

「 今日 洋介は?」

 

「 おやじ 今日仕事入ったらしくてきてねぇ~わぁ~」

 

「 そうかぁ・・ あいつ 相変わらず忙しいなぁ・・」

 

 

 父がこういう風に話すの初めてみたかも

 

 

 

「  先輩 先輩! 部活対抗リレーの準備っすよ!」

 

 

 荒木先輩は

 サッカー部のキャプテンで

 今回青団の団長もしている

 

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色が黒くて

体系もがっしりした

いかにも!って感じの先輩だ

 

 

「 ぁあ~ わかったわかった!

 飯くってからいくから お前らで準備しとけ!

 なら・・・

 ぇえ~と 前田? 」

 

 

「 ・・・前田ゆいです」

   

「ゆいちゃん また後でなぁ~~」

 

    

 またって・・

   

 また来るの? 

 

 

「 なぁ~ ・・ 荒木先輩と何話してたの?」

 

 

準備係の仕事をしていたら

けんじが話しかけてきた

 

 

「 ・・ん・・ なんかお礼言われた」

 

 

「 ぇえ”~~~ 俺にはなんも言わんかったよ!!

俺も助けたんだけど@@@」

 

  

腑に落ちない顔して

けんじはブツブツ文句言ってる

 

 

「あいつ 気をつけろよ! 絶対女ったらしだ!」

 

 

口をへの字にして一人で腹をたてているけんじ

なんか 面白い(笑)

 

 

思わず 吹き出してしまった

 

 

「 っなっ! なんだよ! 人が心配してるのに!」

 

 

「 アハハッごめんごめん! ホントごめん!」

 

 

でも なんか可笑しくて笑いが止まらない

 

 

「でも まじで 荒木先輩ひでぇ~なぁ~@@@」

 

 

・・・

 

そして 思い出したように真顔になり・・

 

 

「 あっ・・・お前さぁ・・」

 

 

「おい お前ら! 

しゃべってないで準備せんかぁ!」

 

  

 

けんじが何か言おうとした時

担任の怒りの声が響き渡った

 

 

「 あっ・・ またな!」

 

 

 

そう言ってけんじはリレーに使う

バトンをもって走っていった

 

 

 次出番だ!

 

 私も 分団リレーの為スタート場所へと急いだ

 

 

 

  バタバタで始まりバタバタで終わった

  体育大会

 

 

 私とけんじのいた赤団は

 あと一歩の差で負けて

 

 

 荒木先輩の青団が勝った

 

 

 なんか・・

 

 ひどく疲れた・・

 

 

 けんじの話しかけた事も忘れて

 

 

 お父さんの車に乗せてもらい

 

 

 家へと帰った。