9話 花火大会したいです
体育大会が終わったその日の夕方
家に
荒木先輩ともう一人
がたいのデカいおじさんが一緒にきた
「 和男いるかぁ!!」
「 ぉお!! 洋介じゃないか!
久しぶりだなぁ!」
「 今日はうちの次男坊の命を
救ってくれたらしくて
本当に
ありがとうな!!!」
荒木先輩並に声がでかい@@
「 いやいやいや・・・
あっ ゆい!
ちょっと こっちに来なさい」
玄関の所に呼び出された
お風呂入ったばかりで
髪ぬれてんだけどなぁ・・
「 ゆいちゃんかい?
初めまして! だいすけの父です
今日は 本当にありがとう!!!
ゆいちゃんがいなかったら
あんな高さから落ちたら
ゆうすけの奴・・・
擦り傷だけじゃすまなかった!
本当にありがとう!!!」
見かけによらず
意外に紳士的な言葉を使う人だ・・
「 いえ・・ 大丈夫でよかったです
宮本くんも一緒に居たから
よかったです」
なんかたどたどしい (笑)
「 宮本? ぁあ!
慎之介んとこの次男坊かぁ!
ならあとでお礼にいかなくちゃなぁ~」
「 あらぁ! 洋介くん!
久しぶりねぇ~!!
上がっていきなさいよ!」
台所にいたおばあちゃんが
玄関にきて 声をかけた
「 あははっ そうですかぁ!
なら遠慮なく」
遠慮しろよと思ったのは
あたしだけかなぁ@@@
このうちに来て初めて
お父さんの友達がきた
今日のお父さんは
初めてみる顔のお父さんだ・・
「 だいたい お前は
帰ってきたくせに連絡もしやしない!
ちゃんと連絡せーやぁ!」
「 いやいや 忙しくてさぁ~
タイミングがなぁ~ タイミングが。」
こっちに来てからお父さんは
手続きやらで
色々と大変そうだった
1日顔を合わせないときもあったくらい
最近になってようやく落ち着いて・・
今日 ちゃんと 来てくれた
「 今度みんなで集まろうや!
噂話ばかり飛び交ってて
お前のうわさすごいことになってるぞ」
「 だろうなぁ~@@
田舎の噂は尾ひれがすごくつくからなぁ~
あはははははっ」
私の事も噂されてんだろうなぁ・・・
メンドクサイ@@
私と 荒木先輩は 部屋の端っこに座っていた
荒木先輩は疲れてるんだろうなぁ
ウトウトしてる
私も眠い・・・
そんなことも関係なく
大人たちは飲み会になっていった
すごく賑やか・・
ここにきてこんなに賑やかな声が広がる家
めてかも
「 お前のおやじ大変だったなぁ・・・
まぁ~ 何かあったら相談しろや!」
夕方にディサービスから帰ってきたおじいちゃんは
疲れたらしく 部屋で寝ていた。
「 洋介のおやじは元気か?
いつもお祭りの音頭とってたもんなぁ~」
「 おやじねぇ~・・ やっぱ年には勝てなくて
俺が代替わりしたよ (笑)」
「 あはははははっ 血は争えんなぁ~(笑)」
「 前は 花火大会だったけど 今は何やってんだ?」
花火大会?
「花火大会!!??」
思わず声がでた
「 ゆいちゃん花火好きなの?」
ビールを飲みながらおじさんが話しかけてきた
「・・・はっ・・はぃ・・」
「 ホント・・
網田でも大きい花火ぶっぱなしたいんだけどさぁ~
予算がなぁ~@@
予算さえあればできるんだけど・・って
子どもに予算の話してもあれだなぁ~ あははははっ」
「 お金があればできるんですか?」
「 ん~~ まぁ~ できるだろうなぁ~~」
「 おじさん!
花火大会したいです!」
大人達はみんなびっくりした顔をした
突然大声だしたから
寝ていた荒木先輩も飛び起きた
「 はははっ・・ 花火大会したいかぁ・・
よし! わかった
花火大会しよう!!」
「 おやじぃ~ 酔っぱらいがそんな
約束したらだめだぞぉ~~」
「 酔ってないぞぉ~!!
ったく
男に二言はねぇ!
花火大会するぞ!
和男もゆいちゃんも
だいすけも手伝えよ!」
「俺もかよ!!」
「先輩・・・ごめん・・」
小さく謝った
「しゃ~~ねぇ~なぁ~@@」
と言いながら
ニカッと笑った