6話 たすけて
5月に入り
体育大会の練習
毎日忙しいせいか
花火大会の気持ちも薄れて・・
あの夢の事も薄れて・・
まだ あの出来事があって1か月もたっていないのに
人ってなんか 勝手だなぁ・・
あれ以来 あんな現実になるような
夢はみなくなってた
たまたま だったんだろうなぁ・・
しかし・・・
体育大会ってこんなに忙しかったっけ?
あっちにいたときは
ただ言われるまま動いて
走って
ただただ 時間が過ぎていったなぁ・・
でも なんなの この学校@@
みんな なんか熱入りすぎてて
少しひくわぁ・・・
全校生徒52人
だからなのか
ほぼフル出場な体育大会@@
1、100mリレー
から始まり
1500mリレー
学年別リレー
綱引き
ダンス
応援合戦
部活対抗リレー
分団対抗リレー
リレーばかりじゃん(笑)
その上
準備と救護係で
ほぼ動き回らなければいけないらしい@@@
あたし 体育祭・・死ぬな@@
「 明日 体育祭だねぇ~★ 」
そうそう あたしにも 友達というものができた
平野 なお
子猫みたいな黒い瞳が
私をのぞき込んできた
「 ゆい 大丈夫?
なんか最近ぐったりだよぉ~~」
「 なおぉ~~ 疲れたぁ@@@」
そういって なおに覆いかぶさる
「 ゆいぃぃ おもいぃぃぃぃぃぃ!!」
友達ができてから
東京に帰りたいという思いは少し薄らいだ・・
「 明日 誰が来るの? 」
「 おばーちゃんが絶対行くって言ってた
おじいちゃんはディーサービスに預けるって
お父さんもくるのかなぁ・・・」
そういや お父さんと最近話してないな・・
引っ越してきてから あまり話してないな・・
「なおの家は? 誰が来るの?」
「うちは大所帯@@ ホント迷惑@@」
どうやら 妹・お兄ちゃん・お母さん
お父さん・おじいちゃん・おばあちゃん
それから おばさんまで来るらしい!
「 ・・・ 大変だね@@」
「 そっ!! まじ嫌んなる@@」
明日の体育大会の準備が終わり
へとへとになりながら
家に着くと
お父さんが 農具の片づけをしていた
「 ただいま・・・」
「 おかえり 」
お父さんはにっこり笑った
でも 私は そのまま家に入った
「 ゆいちゃんおかえりぃ!
明日のお弁当のおかず何いれようかねぇ!!」
おばあちゃんすんごく張り切ってる@@@
でも すごく楽しそう★
「 から揚げ食べたい・・」
なんだか わからないけど
ぼそって答えてしまった
「 からあげやね! よし!ばーちゃん
とびきりのから揚げ作るからね!」
やはり張り切ってる
あっ・・ そうか
今日から明日まで
おじいちゃんお泊りのディーサービスに
行ってんだ
夕飯も なんだか 静かだった
おばあちゃんがいつも以上に
明るく話してるのが違和感があった
そして 時折 おじいちゃんの
いつも座る席を見ていた
おばあちゃん・・ 寂しいのかな・・
あの夢みなかったら
こんな事 思わなかったよね
あの夢みなかったら
おばあちゃん やはり
おじいちゃんいないほうが楽なんだって
思ってたはず・・
おばあちゃん
おじいちゃんの事好きなんだなぁ・・
お風呂に入って
ベットでゴロゴロしてたら
いつの間にか 寝ていた・・
又あの青白い景色
体育大会の風景が目に入ってきた
「 前田!
これ!あっちにもっていって!」
えっ!!??
木の箱を渡されてあたふたしてるあたし
「 急げ!!」
よくわからず 木の箱をもって
指さす方向へと走る
するとそこに・・
血だらけの子どもが・・・
「・・・ また?・・・」
私のもっているのは救急箱だった
「 前田さん それ 貸して!」
保健の先生が血を流してる子どもの
容体をみている・・
すごい血・・・
「 ゆうすけ!! ゆうすけえ!!」
お母さんらしき人が泣き叫んでる
遠くから 救急車の音が聞こえてきた・・
「助けて!!!!!」
その声とともに 私は目を開けた
まただ・・
またあの夢だ
どくどくどくどく・・・・・
心臓の音が鳴り響く
またなの・・
そして あの声・・
前にも聞いた
「助けて・・」
何なの???